SDカードやUSB メモリ、スマートフォンなどの中に入っているNAND型フラッシュメモリ。これは電源を切っても記憶を保持することが可能であり、小型軽量で、振動や衝撃に強く、消費電力が低いという特徴を持った半導体の一種であり、「セル」と呼ばれる部分にデータを保存しています。このセルの数が増えれば記憶できる容量も増え、スマートフォンに写真や動画などをより多く保存することができるよう(大容量化)になります。これまで大容量化を実現するため、面積あたりのセル数を増やすことで対応してきました(図1)。しかし、セル数を増やすと当然セルとセルの間隔も狭くなり、隣接するセル同士で電気的な干渉を引き起こしてしまい誤作動が起こりやすくなってしまいます 。そのため、微細化による平面上にセル数を増やす方法での大容量化は非常に難しくなりました。そこで、大容量化に向けた有力な解決策として登場したのが「3D-NAND」です。平面 (2D) にセルを配置する従来の方法とは異なり、垂直方向にセルを積み重ねた構造(3D)になります。垂直方向にセルを重ねることによって、今まで以上の大容量化を可能にしました(図2)。
3D-NANDでは、各層のセルを制御するために階段上に加工する必要があり、その加工には階段形成用のフォトレジストが使われております。このレジストは、従来の解像度重視の設計ではなく3D-NAND特有のピラミッド構造(図3)の形成工程に適した特性が必要となります。何段もの階段を早く正確に同じように加工するには従来のレジストを単純に厚く(厚膜化)するだけでは難しく、リソ特性だけではなく物性値も考慮した設計が重要であります。そのため弊社の豊富な知見やアイデアを用いることで、これらの特性の両立を実現させています。
記憶領域と各層に電気を通す電極を形成するための階段部分の ピラミッド構造になっています。
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