動きが電気になる。摩擦発電がひらく次世代デバイスの可能性

はじめに
私たちは毎日、無数の「動き」に囲まれて暮らしています。
手や体を動かす、何かに触れる、衣服がこすれる。
こうした何気ない動作は、これまで特に意識されてきませんでした。
今、その身近な「動き」を電気に変える技術として注目されているのが、
振動発電の一種である「摩擦発電」です。
摩擦発電とは
摩擦発電は、異なる材料が接触し、離れるときに生じる静電気を取り出す発電技術です。
振動発電には圧力を電気に変える「圧電発電」など幾つかの方式がありますが、摩擦発電デバイスは比較的シンプルな構成で、柔軟性を持ち、大きな面積にも対応しやすいことが特長です。
近年、電池交換や配線敷設が、機器の使いやすさや設計の自由度の阻害となることがあります。
そうした中で摩擦発電は、新しい電源の選択肢として期待されています。
たとえば、ウェアラブル機器や小型センサー、見守りデバイスなどにおいて、電池や外部電源に頼らず、人やモノのさまざまな動きをエネルギー源として活用できる可能性があります。
手を動かす、押す、触れる、移動する、振動するといった日常のアクションをそのまま生かせるため、年齢や身体の状態にかかわらず、多様な利用シーンに合わせて電源を設計できる点も大きな魅力です。
📘《図①:摩擦発電デバイス(イメージ)》

この摩擦発電において、TOK独自素材(多孔質ポリイミドフィルム)を用いることで、発電出力の大幅な向上が実現しました。
TOKでは、この独自素材を用いた摩擦発電デバイスの応用展開を進めています。
📘《図②:TOK 摩擦発電デバイス》

想定用途
●電源
体や手の動き、押す力など、日常のさまざまな動作で生じるエネルギーを電力として活用し、電池レス化・配線レス化に貢献します。
- 各種センサー+無線通信デバイス電源
- スイッチ電源
- ウェアラブルデバイス補助電源
- スマートフットウェア(靴・インソール等)電源
●センシング
動作や接触によって生じる発電波形を出力することで、状態モニタリングへの展開が期待できます。- 歩行をはじめとした移動状態のセンシング
- 足圧・接触状態の検知
- 入退室管理/見守りへの活用
●マイクロカレント
体の動きから生じた電力を、微弱電流として身体に当てることで、ウェルネスやコンディショニングへの展開が期待できます。利用者一人ひとりの生活スタイルに合わせ、無理のないかたちで健康づくりをサポートします。
- 移動時や運動時の疲労軽減
- 長時間、同じ姿勢で過ごすことによる負担軽減
- むくみ軽減
- 健康/コンディショニング
こうした新たな価値創出を共創できるビジネスパートナーをTOKでは募集しており、関心持っていただいた皆様からの問い合わせをお待ちしています。
当該摩擦発電技術は、関西大学の谷弘詞教授、佐野加奈絵准教授との共同研究により開発されました。

