【展示会レポート】新機能性材料展2026(1月28日〜30日)に出展しました。

東京応化工業、新機能性材料展2026 (1月28日〜30日)に出展しました
2026年1月28日(水)〜30日(金)、東京ビッグサイトで開催された 「新機能性材料展2026」(西4ホール/小間番号:4W-M27)に出展いたしました。
本展示会では、“新しい付加価値を創造する機能性マテリアルの総合展”として、 機能性樹脂、コーティング剤、高機能フィルム、環境対応材料など、多様なマテリアル技術が一堂に集まり、最新技術の実物展示・口頭発表・ポスター発表が一体となって活発な情報交換が行われました。
当社ブースでは、東京応化工業(TOK)が得意とする微細加工技術・高純度化技術を活用した最新マテリアルを展示し、国内外の多くのお客様にご来場いただきました。 特に、実物展示した多孔質ポリイミドフィルム使用のマイクロカレントサポーターや表面改質剤を活用したナノスケールの超親水化技術、脱炭素社会を目的としたCO2分離膜に関する実物展示が注目を集め、昨今の情勢や評価までを含めた具体的な議論が交わされました。
当社にとっても、半導体・微細加工で培ったコア技術を軸に、マイクロ・ナノ領域とライフサイエンス領域での製品・技術の価値を広く発信できる貴重な機会となり、会期中は多くの研究者・技術者の皆さまにお立ち寄りいただきました。
展示製品のご紹介
今回の展示では、東京応化工業が誇る微細加工技術や高分子材料技術を応用した、以下の最新ナノテクノロジーを紹介しました。
ナノレベル表面改質技術 / 超親水インクジェットパターニング
当社では半導体分野で培ってきたナノレベルの表面改質技術を、ライフサイエンスや生活空間へ応用することで、新たな価値創造に取り組んでいます。ナノスケールでの膜設計や機能制御に加え、半導体領域で蓄積したナノ構造の可視化・解析技術を組み合わせることで、課題解決型ソリューション提案を目指しています。
本展示会では、金属表面処理や超親水カーコーティングを例に、当社のナノレベル表面改質技術をご紹介いたしました。

(左)シャワーリングマシーンの静止画

(右)金属表面改質技術の静止画
また、セイコーエプソン株式会社の協力により、インクジェットヘッド技術を用いた超微細な超親水パターニングの実物展示を行いました。

※厚さ約2 nm・幅約50 μmの精密な親水パターン形成が可能となり、選択的表面改質やマスクレス加工に貢献します
【特徴】
上記の表面改質材料は化学結合型で、長期的な親水性を維持します。2nm以下の薄膜で光学特性を損なわず、ガラスやPDMSなど多様な素材に対応可能です。
こすり耐性・耐候性に優れ、医療・光学分野での応用が期待されています。水膜による汚れの浮き上がり効果で清潔性も向上します。
インクジェット技術によりマイクロ流路内にて、親水領域と撥水領域をすみ分けすることが可能です。
マイクロカレントサポーター
当社では、高機能材料の研究開発で培ってきた多孔質ポリイミドのナノ構造設計技術を、ヘルスケアやウェルビーイング領域へ応用することで、新たな価値創造に取り組んでいます。ナノレベルで制御された多孔構造により帯電特性を自在に設計できることから、従来の電源依存型デバイスでは実現できなかった、身体・生活空間と親和性の高いソリューションを目指しています。
本展示会では、歩行・走行、立ち仕事の疲労軽減を想定した、当社のマイクロカレントサポーターをご紹介いたしました。

マイクロカレントサポーター
【特徴】
マイクロカレントは非常に弱い電流を身体に流す微弱電流療法です。微弱な電流が足まわりの血流改善や筋肉の緊張状態を緩和し、むくみの改善に寄与します。
当社の多孔質ポリイミドフィルムの特異なナノ構造により、高い負帯電性を実現し、摩擦(物体の接触・剥離)によって生じる電流を取り出すことで外部電源を一切必要とせず、微弱電流療法を実現することができます。この革新的な技術により、スポーツや健康維持だけでなく、医療・福祉の分野においても大きな可能性が広がります。
CO2分離膜
当社では、半導体分野で培ってきたナノレベルの膜設計・薄膜形成技術を環境・エネルギー領域へ応用し、持続可能な社会の実現に向けた新たな価値創造に取り組んでいます。ナノスケールでの膜厚制御や選択透過性の設計に加え、半導体領域で蓄積した微細構造解析技術を組み合わせることで、次世代の分離・回収技術を支える材料開発を推進しています。本展示会では、当社が開発した高透過性CO₂分離ナノ膜を用いたm‑DAC®への取り組みをご紹介し、環境・エネルギー分野における新たな可能性を提案いたしました。

(左)当社のCO2分離膜

(右) Carbon Xtract社のCO₂分離装置
【特徴】
CO2分離膜は、空気中からCO₂のみを選択的に透過させる膜技術であり、分離性能は分離層の膜厚に大きく依存します。分離層を薄くするほどCO2透過性は飛躍的に向上します。当社開発チームは、この原理を最大限に活かすべく、ナノレベルの超薄膜を安定的に製造する技術を確立し、非常に高いCO2透過性・選択性を併せ持つ分離層の形成に成功しました。
この分離ナノ膜を用いたCO₂回収技術(m‑DAC®)の社会実装に向け、当社はCarbon Xtract社と協働し、空気中から直接CO₂を回収する“Direct Air Capture(DAC)”技術の実用化を進めています。
※ビニールハウス等にて、植物の光合成に欠かせないCO₂を空気中から抽出することで脱炭素社会に貢献しております
ePTFE代替膜
当社では、半導体分野で培ってきた高分子設計技術と微細構造制御技術を応用し、環境配慮型かつ高性能な多孔質材料の開発に取り組んでいます。ナノスケールでの孔構造設計や膜機能制御に加え、長年蓄積してきた膜解析技術を組み合わせることで、次世代用途に応える高機能フィルムの創出を目指しています。


【特徴】
TOKの多孔質ポリイミドフィルムは、独自の加工プロセスにより均一で精密なナノレベルの微細孔を形成したユニークな多孔質構造を有しています。この均一微細孔構造により、防水性と透気性を両立する特性を発揮するとともに、高耐熱性・耐薬品性・電気絶縁性を兼ね備えた高機能フィルムとして多用途での使用が期待できます。 さらに、本フィルムはPFAS-Freeのポリイミド素材を用いており、ポリイミド本来の優れた耐熱性・耐薬品性を維持しています。そのため、環境規制の強化が進む中、従来ePTFEが用いられてきた用途において、代替膜として活用可能な高いポテンシャルを有しています。
展示ブースの様子と来場者の反応
ブースでは、「ベンゼン環が目印」の装飾デザインと実物展示が来場者の目を引き、 3日間を通じて研究者・技術者・開発担当者の方々に多数ご来場いただきました。
特に以下の技術に強い関心が寄せられました:
- • 超親水×インクジェットパターニング技術
→「濡れ広がりの速さ」「高均一性」で驚かれる方が多い印象でした - • 多孔質ポリイミドフィルム
→電子部材からエネルギー用途まで、多業界の担当者からも好印象でした - • CO₂分離膜/ePTFE代替膜
→脱炭素・リプレース素材として将来性への期待をいただいた印象でした
また、ブース内に設置したディスカッションコーナーでは、課題ヒアリングや用途相談を中心に、活発な技術ディスカッションが行われ、「次回、サンプルで評価してみたい」という声を多くいただきました。

今後の展望とメッセージ
東京応化工業は、長年半導体分野で培ってきた微細加工技術、高純度化技術を活かし、新規分野でも社会課題の解決に貢献するマテリアル開発を進めています。今回ご紹介した多孔質材料(ePTFE代替膜)
・CO₂分離膜・表面改質技術・超親水コーティング技術は、エレクトロニクス・モビリティ・エネルギー・ライフサイエンスなど、多様な領域での応用が期待される技術です。展示会にてご興味をお持ちいただいた製品・技術につきまして、 サンプル提供・共同検討・技術相談などお気軽にお問い合わせください。
次回展示会では、さらに進化した製品・技術をお届けできるよう、研究開発を一層加速してまいります。ぜひご期待ください。
新技術資料のダウンロードはこちら
新機能性材料展にて展示した当社の新技術資料をダウンロードいただけます。ぜひ、ダウンロードいただきご質問・サンプル要望・協創のご相談をいただけましたら幸いです。

