ダブルパターニングとは?

半導体の生産性・機能性向上を目指し、世代を経るにつれて半導体内部の回路線幅の微細化は進んで来ました。特にPCやスマートフォンに使用されているCPUやメモリーといった半導体では、微細化が高性能化と小面積化に大きく寄与する事から様々な手法によって微細化が進められています。これまでは短波長化、露光機のレンズ開口数を大きくする事で微細化が進められて来ました。ArFエキシマレーザー(193nm)適用までの微細化は、まさしくこの方法で微細化進みました。しかしながらArFエキシマレーザーからの更なる短波長化には装置開発、材料開発の技術的課題の解決に多くの時間が必要となると予想された為、既存の露光装置を用いた微細化実現が研究され、ダブルパターニング技術が開発されました。ArFエキシマレーザーを光源としたArF液浸露光を用いたダブルパターニングが微細化の手法として、種々のプロセスが検討されました。その中には複数回露光技術や形成したパターンをもとに成膜技術からパターンを半分のサイズにする手法などがあります。
複数回露光技術(複数のマスクを使用する場合あり)ではフォトレジスト成膜=>露光=>現像(パターン形成)=>エッチング(基板への転写)という工程を、位置をずらしながら繰り返すことで線幅(線の繰り返し幅)を小さくすることが可能になります。この手法ですとパターンデザインの自由度がありますが、位置ずらしの精度が非常に重要になります。

1回目パターニング(薄い青) → 2回目パターニング(濃い青)

成膜技術からパターンサイズを半分にする手法(自己整合ダブルパターニング)はレジストもしくは転写された基板上のパターンに対して、側壁にCVDと呼ばれる成膜技術で半分のサイズのパターンを形成し、目的のサイズを得ます。この場合、位置精度については最初のパターンサイズに寄るため、高い精度でコントロールできますが、パターンデザインの自由度はありません。またこの技術は繰り返し行うことで、1/4のサイズにすることなども可能です。

図22本のパターンをクロスさせた場合(上から見た図)

現在では上に記した2種類のダブルパターニング技術が主流となっています。ArF液浸露光を用いたダブルパターニングでは30nm以下の線幅を形成し、半導体中の回路を作成しています。その中でフォトレジストについても目的のサイズが小さくなる為、より厳しい寸法制御や平滑さが求められており、TOKではこのような技術要望に対応すべく、新規素材の開発を継続しております。

用語解説

1.1nm 10億分の1mのこと
2.ArF フッ化アルゴンの略であり、現在の最先端部分で使用されている光源(193nm)のこと
3.エッチング 化学薬品などの腐食作用を利用して表面加工すること
4.フリージング材 最初に形成されたレジストパターンが2回目に塗布するレジストの溶剤に溶けないように保護する材料のこと
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