東京応化工業株式会社
2025年11月10日〜12日、ライトキューブ宇都宮で開催された合同シンポジウム「Future Technologies from UTSUNOMIYA」に、東京応化工業は先端デバイス・材料分野での取り組みを紹介するため出展いたしました。
Future Technologies from UTSUNOMIYAでは国内外から多数の大学・研究機関・企業が参加し、参加者数は約1,200名規模に達するなど、技術展示・口頭発表・ポスター発表が一体となって活発な情報交換が行われました。
特に、MEMS・マイクロ流体・センサ技術とAI/IoT、モビリティ、医療・ヘルスケアの融合に関する講演・展示が注目を集め、実装・量産・評価まで含めた具体的な議論が交わされました。
東京応化工業にとっても、半導体・微細加工で培ったコア技術を軸に、マイクロ・ナノ領域とライフサイエンス領域での製品・技術の価値を広く発信できる貴重な機会となり、会期中は多くの研究者・技術者の皆さまにお立ち寄りいただきました。
今回の展示では、東京応化工業が誇る微細加工技術や高分子材料技術を応用した、以下の製品を紹介しました。
SPRA-101は、東京応化工業が開発した物理吸着型の超親水性コーティング材料で、前処理なしで多様な基材に塗布
可能です。
膜厚は2nm以下と極めて薄いため光学特性を損なわず、ガラス、金属、プラスチックなどに対応しています。
こすり耐性・耐薬品性・耐候性に優れ、可視光透過率99%以上を維持します。
細胞毒性が非常に低く、ライフサイエンスや光学機器分野での応用が期待されています。
SPRA-202は、化学結合型の超親水性コーティング材料で、長期的な親水性を維持します。
2nm以下の薄膜で光学特性を損なわず、ガラスやPDMSなど多様な素材に対応可能です。
こすり耐性・防汚性・耐候性に優れ、医療・光学分野での応用が期待されています。
水膜による汚れの浮き上がり効果で清潔性も向上します。
TMMF/Rとは、東京応化工業が提供する感光性の永久膜材料で、マイクロ流路の形成に用いられるフォトレジストです。
光を使って微細な立体構造を形成できるため、医療やバイオ分野で使用される「ラボオンチップ」などの流体制御デバイスに適しています。
フィルムタイプもご用意しており、中空構造の形成が必要な場合にも柔軟に対応可能です。
厚膜形成が可能で、耐熱性・耐薬品性にも優れているため、複雑な流路設計にも適しており、従来の材料では困難だった高精度な構造の実現を可能にします。
そのため、研究開発から製品化まで、幅広い現場で活用されています。
SIEVEWELLは、フォトリソグラフィー技術を応用して開発された細胞補足デバイスです。
細胞サイズの貫通孔を持つナノウェル構造により、細胞を整列・格納し、高いシングルセル格納率を実現しています。
ピペット操作のみで使用でき、ウェル内で免疫染色や薬剤添加も可能です。
がん細胞やiPS細胞の研究など、多様な用途に対応する革新的なツールです。
多孔質ポリイミドフィルムは、均一なナノ孔と空隙率70%を持つ高透過性素材です。
高耐熱性・耐薬品性・電気絶縁性を兼ね備え、幅広い素材に対応可能です。
孔径のバリエーションも豊富で、セパレータや細胞培養など多用途に活用されています。
PTFE代替としても注目される、先端分野向けの高機能フィルムです。
当社ブース(No. 63)では、SIEVEWELLや多孔質ポリイミドフィルム、超親水コーティング材料などを中心に、素材・デバイス・プロセスの“材料×微細加工×表面制御”によるソリューションを一体的にご提案いたしました。
来場者は大学・研究機関・企業の研究者・技術者が中心で、合同シンポジウムならではの学協会横断の技術交流が活発に行われました。技術展示は口頭発表・ポスターと連動して、具体的な応用・評価の議論へと発展しました。
また、会期中は出展者プレゼンテーション枠などの併設企画も用意され、研究成果・製品技術の訴求機会が拡がりました。
東京応化工業は、半導体分野で培った技術を活かし、ライフサイエンス分野においても社会課題の解決に貢献してまいります。
今後も研究開発を加速し、より多くの現場で役立つ製品・技術を提供していく予定です。
次回展示会では、さらに進化した新製品のご紹介を予定しておりますので、ぜひご期待ください。